▽ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
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中米ハイチの首都ポルトープランスで2日、暫定大統領評議会とギャングの暴力に抗議するデモが行われ、一部が暴徒化した。
AP通信によると、数百人の暴徒が機動隊と衝突したという。死傷者の情報はない。
機動隊は大統領府に近づこうとする暴徒に催涙ガスを浴びせ、放水砲を打ち込んだ。
暴徒たちは店舗を略奪し、車に火をつけ、機動隊に石を投げつけた。
市近郊のスラム街にはバリケードが設置され、抗議者たちが「大統領府を取り戻せ」「ギャングを倒せ」などと叫びながら行進した。
APの取材に応じた主催者の1人はデモの目的について、「大統領府を制圧し、暫定評議会を焼き払う」と語った。「あの役立たずどもを追放し、新政府を樹立するために戦うのです...」
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。
フィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相はこの暴動に関するコメントを出していない。暫定大統領評議会が昨年11月にフィゼメ氏を選出して以来、この規模のデモが行われたのは初めてである。
一部のデモ隊は大統領府の目の前に到達したものの、機動隊の催涙ガスに屈し、撤退を余儀なくされた。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)によると、最近のギャング抗争で6万人以上の市民が避難を余儀なくされたという。
国連のハイチ担当であるオニール(William O'Neill)氏は先月、ポルトープランスの現状を「野外監獄」と表現した。
ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。