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米上院議員、メキシコ政府に麻薬カルテル壊滅促す「米軍投入すべき」

メキシコのシェインバウム大統領は今月初め、トランプ政権が外国テロ組織に指定した麻薬カルテルとの戦いに米軍を派遣するというトランプ米大統領の提案を改めてきっぱりと断った。
2025年4月14日/米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(左)とエルサルバドルのブケレ大統領(AP通信)

米共和党のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員は29日、メキシコ政府に対し、麻薬カルテルの摘発においてエルサルバドルの手法を参考にすべきと提案し、米政府による組織犯罪対策支援の申し出を積極的に活用するよう求めた。

南部テキサス州選出の保守派であるクルーズ氏は今週、パナマとエルサルバドルを訪問。その後メキシコに立ち寄り、政府高官と会談した。

クルーズ氏は記者会見で、メキシコが麻薬カルテルの取り締まりで米国との「共同作戦」を拒否した場合、米国は単独で麻薬カルテルに対する措置を講じる可能性があると示唆した。

またクルーズ氏は「協力的な対応がはるかに望ましい。メキシコ政府がカルテルを壊滅させることが圧倒的に自国民のためになると認識することを望む」と述べた。

さらに「メキシコ政府は我々の提案を受け入れるべきだ」と主張したが、提案の詳細には言及しなかった。

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は今月初め、トランプ政権が外国テロ組織に指定した麻薬カルテルとの戦いに米軍を派遣するというトランプ(Donald Trump)大統領の提案を改めてきっぱりと断った。

クルーズ氏はエルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領が採用した対ギャング作戦を絶賛し、メキシコ政府に同様の措置を取り、軍と警察を総動員して麻薬カルテルを一掃するよう促した。

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は9万人近くに達し、そのうち約1万人が証拠不十分で釈放された。

勾留中のギャングの90%が裁判を待っている状態だ。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ政権の掃討作戦により、国内のギャングはほぼ壊滅し、エルサルバドルは世界で最も危険な国から、中米で最も安全な国に豹変。昨年報告された殺人事件は214件で、2015年に記録した6600件の30分の1に激減した。

トランプ氏はメキシコの麻薬カルテルが取り扱う合成麻薬フェンタニルと移民による「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で移民を強制送還するなど、様々な麻薬・移民対策を導入している。

米国務省は2月、メキシコのシナロア・カルテルやエルサルバドルのマラ・サルバトルチャ(通称MS-13)を含む8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。

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