セントビンセント・グレナディーン議会選挙、野党が大勝、政権交代へ
選挙期間中、有権者の間では「変化を求める声」が広がっていた。
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カリブ海の島国セントビンセント・グレナディーンで11月27日に行われた議会選挙について、地元メディアは28日、野党・新民主党(NDP)が大勝したと報じた。
これにより与党ULPの24年間にわたる政権支配に終止符が打たれた。
NDPのフライデー(Godwin Friday)党首は27日夜に勝利宣言を行っていた。
選挙管理委員会によると、NDPは定数15議席のうち少なくとも11議席を獲得。一部報道では14議席を得たとの情報もあり、圧倒的多数を確保した。
これにより、フライデー氏が近く首相に就任する見通しとなった。
ゴンサルベス(Ralph Gonsalves)首相はコメントを出していない。
ゴンサルベス氏は2001年に就任。6期目を目指していた。
選挙期間中、有権者の間では「変化を求める声」が広がっていた。NDPは物価高や失業、経済の停滞、自然災害からの復興遅れなどを抱える国内事情に対し、「雇用の創出」「賃金引き上げ」「治安改善」「インフラ整備」を政策の中心に据え、これが機能不全に陥ったと批判されている現政権に対する不満と結び付き、有権者の支持を集めた。
また、外交政策の再検討も注目されている。ゴンサルベス政権は長年、中南米の左派政権や台湾との関係を維持する外交路線をとってきた。
一方、NDPは過去に、中国との関係強化や「投資による市民権取得制度」の導入を訴えており、政権交代後は外交・経済政策で大きな方向転換がありうる。
投票率も高く、有権者の関心も非常に高かった。選挙後、首都キングスタウンではNDP 支持者が黄色の服や鳴り物で祝賀ムードを作り出し、新政権に対する期待の高さを示した。
今回の選挙結果は、同国にとって24年ぶりの政権交代という歴史的転換点であるだけでなく、カリブ地域全体の政治地図にも影響を与える可能性がある。
今後、NDPによる経済再建と外交の再構築、そして国民の生活改善がどれだけ実現されるかが注目点となるだろう。
