シナロア・カルテルがFBIの密告者を特定、殺害=米司法省
シナロア・カルテルは世界最大の麻薬組織であり、メキシコ北西部シナロア州に本拠を置いている。
.jpg)
米司法省は26日、メキシコの麻薬組織シナロア・カルテルとつながりのあるハッカーが2018年にFBI(連邦捜査局)職員の電話記録を入手し、首都メキシコシティの監視カメラを利用してFBIの密告者を追跡、殺害するのをほう助したと明らかにした。
司法省は報告書の中で、このハッカーが悪名高い麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者率いるシナロア・カルテルに所属していたと指摘した。
グスマンは米国の刑務所で仮釈放なしの終身刑に服している。
報告書によると、このハッカーはメキシコシティの在米国大使館に勤務するFBIの法務担当官を特定し、その担当官の電話番号を利用して「発信および着信履歴、ならびに位置情報データ」を入手したという。
このハッカーはメキシコシティの監視カメラシステムを利用してこのFBI職員を追跡し、この職員が会った人物を特定したとされる。
その後、シナロア・カルテルの構成員がこの職員と会った人物を殺害したとされる。
司法省は「シナロア・カルテルはその情報を使って、潜在的な情報源や協力的な証人を脅迫し、場合によっては殺害した」と述べている。
報告書は容疑者のハッカー、FBI職員、被害者の身元を明らかにしていない。
シナロア・カルテルは世界最大の麻薬組織であり、メキシコ北西部シナロア州に本拠を置いている。
トランプ政権は2月、シナロア・カルテルやその宿敵であるハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定。今月初めにはシナロア・カルテルの一派である「ロス・チャピトス」も外国テロ組織に指定した。