メキシコ大統領、ミチョアカン州平和・正義計画を発表、市長殺害受け
同州ウルアパンでは1日夜、「死者の日」のイベントに参加していたマンソ(Carlos Manzo、40歳)市長が殺害された。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は4日、暴力が絶えない中西部ミチョアカン州向けの新たな治安戦略を発表した。
同州ウルアパンでは1日夜、「死者の日」のイベントに参加していたマンソ(Carlos Manzo、40歳)市長が殺害された。
警察は容疑者2人を逮捕。3人目の容疑者はその場で射殺された。
ミチョアカン州では昨年10月にシェインバウム氏が就任して以来、7人の市長が殺害されている。
ミチョアカン州では2日から3日にかけて、ウルアパンを含む複数の都市でマンソ氏の殺害に抗議するデモが行われた。
シェインバウム氏は定例会見で改めてこの事件を非難し、「ミチョアカン州平和・正義計画」を発表した。
またシェインバウム氏は「この計画で暴力の根源的要因に対処し、治安強化を図る包括的アプローチを採る」と表明した。
政府は数日以内に計画の詳細を発表する予定だ。シェインバウム氏は「首長向けの安全保障会議と警報システム、経済開発計画、農民の社会保障と賃上げが促進され、農村インフラ、社会復帰、被害者支援プログラム、平和フォーラムへの投資が行われる」と述べた。
またシェインバウム氏は「この計画に基づく正義で平和を取り戻す」と強調。「平和は尊厳と希望を持って、ゼロから築くことができる。麻薬戦争は戻ってこない」と述べた。
ミチョアカン州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、その大半が世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」やそのライバルである「ハリスコ新世代」の支配下に置かれている。
メキシコは紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。
