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メキシコ大統領、市長暗殺も治安戦略の変更否定「殺人減っている」

ウルアパンのマンソ(Carlos Manzo、40歳)市長は1日夜、「死者の日」のイベントに参加中、殺害された。
2025年11月2日/メキシコ、中西部ミチョアカン州ウルアパン、殺害されたマンソ市長の葬儀(AP通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は3日、中西部ミチョアカン州ウルアパンの市長が殺害されたことを非難したうえで、「政権の治安対策を変更するつもりはない」と表明した。

ウルアパンのマンソ(Carlos Manzo、40歳)市長は1日夜、「死者の日」のイベントに参加中、殺害された。

警察は容疑者2人を逮捕。3人目の容疑者はその場で射殺された。

地元当局によると、マンソ氏は市内の病院に搬送されたものの、まもなく死亡が確認されたという。

この銃撃で市議会議員1人と警備員1人も負傷した。

シェインバウム氏は定例会見で自身の治安政策を擁護し、殺人事件は減少していると主張。敵対勢力がハゲタカやスカベンジャーのように振る舞っていると非難した。

またシェインバウム氏は「過去の麻薬戦争のように、軍事化や戦争を求める声もある。あれは失敗した」と述べ、前政権が掲げた「暴力ではなく抱擁。血ではなく愛」という治安対策方針に変更はないと強調した。

ミチョアカン州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、その大半が世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルとつながりのあるギャングの支配下に置かれている。

ミチョアカン州では昨年10月にシェインバウム氏が就任して以来、少なくとも7人の市長が殺害されている。

メキシコは紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

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