◎米国への亡命を希望するハイチ移民は1人あたり数千ドルを人身売買組織に支払い、頼りない木造船やゴムボートに乗って南方のコロンビアやパナマを目指す。
米領プエルトリコの海岸、亡命希望者たち(Getty Images)

米税関・国境警備局(CBP)は6日、米領プエルトリコとドミニカ共和国の間にある無人島でハイチ人移民48人を保護したと発表した。

それによると、この海域でパトロール任務に当たっているCBPのレンジャー部隊が移民を発見し、沿岸警備隊に通報したという。

沿岸警備隊は人身売買組織に見捨てられたとみられる男性41人と女性7人を保護。プエルトリコの施設に送った。

現地メディアによると、島の周囲に船は残されていなかったという。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

米国への亡命を希望するハイチ移民は1人あたり数千ドルを人身売買組織に支払い、頼りない木造船やゴムボートに乗って南方のコロンビアやパナマ、プエルトリコなどを目指す。

しかし、この海域を通過するのは容易ではなく、途中で海に落とされたり、無人島で降ろされる移民が増えているようだ。

米沿岸警備隊は昨年6月、この海域でハイチ人5人の遺体を収容。68人を救助した。

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