メキシコ西部の集団墓地で34人の遺体見つかる、麻薬カルテルが遺棄か
ハリスコ州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵であるハリスコ新世代の本拠地がある。
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メキシコ西部ハリスコ州の検察当局は27日、同州サポパンの集団墓地で新たに34人の遺体が見つかったと明らかにした。
この墓地は今年2月に発見され、当局が捜査していた。
遺体を発見したのは建設工事を行っていた業者で、警察がその後の捜査で169個の袋に詰められた遺体を収容した。
当局は数ヶ月に及ぶ調査により、17人の身元を特定したと報告。現在も調査を継続中である。
ハリスコ州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵であるハリスコ新世代の本拠地がある。
ハリスコ州でこのような集団墓地が見つかることは珍しくない。
今年3月には行方不明者を捜索するNGOが州郊外にある施設で何百もの靴やリュックサックなどの所持品とともに、数百の人骨を発見した。
この施設はハリスコ新世代が運営し、「人間屠殺場」と名付けられた。
当局はこの施設に関与したとしてこれまでに15人を逮捕。その中にはハリスコ新世代とつながりがあるとされる現職市長も含まれている。
専門家によると、ハリスコ新世代の戦闘員数は傘下の民兵などを含めると1万5000~2万人と推定されている。
トランプ米政権は2月、ハリスコ新世代やシナロア・カルテルなど、中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。
メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。