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パナマ大統領「米大使館がビザ取り消すと脅迫」中国との関係見直すよう圧力

トランプ大統領はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
2025年9月24日/国連本部で開催された第80回国連総会で演説するパナマのムリノ大統領(AP通信)

中米パナマのムリノ(José Raúl Mulino)大統領は16日、トランプ政権がパナマに対し中国との関係を制限するよう圧力をかける中、在米国大使館の関係者がパナマ当局者のビザ(査証)を取り消すと脅迫していると主張した。

ムリノ氏は定例会見で、証拠を示さずに「米国大使館の職員が我々に”ビザを取り上げる”と脅しをかけている」と語った。

またムリノ氏は「こうした行動は私が米国と維持したい良好な関係にそぐわない」と付け加えた。ムリノ氏は当該職員の名前を明かさなかった。

在パナマ・米国大使館はこの発言に関するコメントを出していない。トランプ政権はこれまで、個別のビザ取り消し決定に関するコメントを控えてきた。

米国務省は先月、「政府は中米における中国の影響力に対抗する決意であり、中国共産党との関係を維持する者や、中国のために同地域の民主主義を損なう者のビザを制限する」と表明していた。

トランプ(Donald Trump)大統領はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。

またトランプ氏は「パナマ政府が約束を破り、運河を中国に譲り渡した」と主張。返還しなければ「相応の措置を取る」と警告してきた。

米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理。その後、共同管理の期間を経て、1999年に運河の管理権をパナマ政府に引き継いだ。

パナマ運河は政府機関であるパナマ運河庁によって管理されている一方、運河の両端にある2つの港は香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスが運営権を保有している。

CKハチソンは3月、パナマの資産を含む228億ドルの港湾事業の大部分を米国の投資会社ブラックロック率いる連合体に売却することで合意したと発表。米政府はこれを歓迎し、中国は不満を表明した。

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