◎昨年ダリエンを通過した移民は52万人超。22年の2倍以上に急増し、過去最高を更新した。
パナマのムリノ(José Raúl Mulino)大統領は18日、同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を通過した移民について、「本人が同意した場合のみ、本国に送還する」と表明した。
米政府はパナマを含む中南米諸国に移民対策を強化するよう呼びかけている。
ムリノ氏は記者会見で、コロンビアから自国に流入する移民の増加を食い止めると約束した。米政府はパナマの移民を強制送還する便の費用を負担することで同意している。
ムリノ氏は会見の中で、「移民はパナマにとどまりたがらず、米国に移住したいと考えている。彼らが行きたいと言うのであれば、行かせるべきだ。彼らを逮捕することも、無理やり強制送還することもできない」と述べた。
またムリノ氏は米政府との取り決めについて、「国際法に基づき、規程されている」と述べたが、不法入国した移民を強制送還できない理由には言及しなかった。
昨年ダリエンを通過した移民は52万人超。22年の2倍以上に急増し、過去最高を更新した。
そこを通過した移民は他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。
当局によると、今年ダリエンを通過した移民や約21万2000人。そのほとんどがベネズエラ、エクアドル、コロンビア、中国人であった。
ムリノ氏は犯罪行為で収益を上げている人身売買組織を非難したうえで、移民に対し、「旅を続けるか、帰国するか、選択してほしい」と呼びかけた。
またムリノ氏は今月28日に行われるベネズエラ大統領選がこの問題に良い影響を与えると期待していると述べた。
ダリエンを通過する移民の半数以上がベネズエラ人である。