◎昨年ダリエン地峡を通過した移民は52万人を超え、22年の2倍以上に急増。過去最高を更新した。
中米パナマ政府は20日、同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」で拘束したコロンビア移民29人を本国に強制送還したと明らかにした。
それによると、米政府と結んだ協定に基づき、米国が費用を負担する便が初めて使用されたという。
昨年ダリエンを通過した移民は52万人を超え、22年の2倍以上に急増。過去最高を更新した。
そこを通過した移民は他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。その大半がベネズエラ人であった。
しかし、パナマ政府は今のところベネズエラ人を強制送還できない。
パナマ政府は他の近隣諸国と同様、先月行われたベネズエラ大統領選の結果を認めておらず、外交関係を停止している。
7月1日に就任したパナマのムリノ(José Raúl Mulino)大統領は米政府の支援を得て、ダリエンの移民を減らすと約束。国境警備を強化している。
地元メディアによると、20日に強制送還された29人は全員、犯罪歴があったという。
移民局の報道官は首都パナマシティの空港で記者団の取材に応じ、「インドやエクアドルなど、他のいくつかの国と送還便について協議している」と語った。
米政府は先月、パナマで拘束された移民を本国に送り届ける送還費用を負担することで合意した。