◎南米の亡命希望者(主にベネズエラ人)はダリエン地峡を使って陸路で中米に入り、米国南西部の国境を目指す。
2023年5月9日/コロンビアとパナマの国境「ダリエン地峡」を進む移民(Ivan Valencia/AP通信)

今年、パナマコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を横断した移民の数が30万人を超えた。パナマ政府が24日、明らかにした。

同政府はこれを受け、移民の流入を食い止める新たな措置を導入すると発表。来週にも開始する予定としているが、詳細は明らかにされていない。

国連はこのペースが続けば、ダリエン地峡の通過者は年末までに40万人に到達すると予想している。昨年は約25万人だった。

中央政府の報道官は24日の記者会見で、「関係各国と連携して移民の流入を阻止しようとしてきたが、現時点でその流れを止めることはできていない」と語った。

それによると、地峡の1日当たりの通過者は2500~3000人。その多くが感染症、誘拐、性的暴行、人権侵害に直面しているという。

AP通信は入国管理当局者の話しとして、「国境を封鎖できないとは思っていない」と伝えている。

米国、パナマ、コロンビア政府は今年4月、ダリエン地峡を利用して人身売買を行う組織の取り締まり強化で合意した。

しかし、パナマ当局は今月初め、コロンビアとの連携がうまくいっていないと不満を表明していた。

当局は声明で次のように述べている。「コロンビアとの連携強化にもかかわらず、ダリエン地峡の状況は改善するどころか、むしろ悪化しています...」

「残念なことに、我が国は中南米の移民を無差別に送り込む人身売買組織の取り締まりに失敗しています...」

3カ国はコロンビアとパナマ国境コミュニティにおける貧困対策と雇用創出に投資するとしている。この地域で雇用を創出できれば、米国への移住を希望する人は減るかもしれない。

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