◎今年1月と2月にダリエン地峡を横断した18歳未満の移民は確認できているだけで9683人となり、前年同期の7倍に急増した。
パナマ政府は22日、コロンビアと同国の危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を渡る亡命希望者が急増していると発表した。
それによると、今年1月と2月にダリエン地峡を横断した18歳未満の移民は確認できているだけで9683人となり、前年同期の7倍に急増したという。
昨年の横断者数は約25万人。2021年の13万3000人のほぼ2倍である。
パナマ政府によると、そこを最近横断した未成年のうち1119人は大人が同伴していなかったという。
国連人権理事会は米国への亡命を希望する中南米の移民が急増していることについて、「ダリエン地峡は危険なルートのひとつとして恐れられてきたが、今やそこを選択するのは当たり前になっている」と指摘した。
また同理事会は「パナマを通過する移民の数は着実に増加しており、今年はかつてない伸びを示している」と述べた。
ダリエン地峡では麻薬密売組織やギャングが活動している。専門家によると、そこを通過する際は泥棒、人身売買、レイプなどに警戒する必要があるという。
一方、米政府は中南米の移民対策を強化している。
バイデン政権は1月初め、不法入国者を劇的に減らす新しい規則を発表した。
この規則はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの亡命希望者を毎月3万人受け入れ、2年間の労働許可を与えるとしているが、許可を得るためには身元確認を含む「正規の入国手続き」をクリアしなければならない。
さらにメキシコ政府は同月、コロナウイルスの世界的な大流行を受けトランプ政権が施行した移民抑制政策「タイトル42」に基づき強制送還された移民を引き取ることに合意した。
タイトル42は米国内で拘束された不法入国者を入国前の国(主にメキシコ)に戻し、法に基づいた亡命申請の機会を与えるものである。