◎南米の亡命希望者(主にベネズエラ人)はダリエン地峡を使って陸路で中米に入り、米国南西部の国境を目指す。
パナマとコスタリカ政府は11日、両国の間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を通過する移民が増加し続けていることを受け、新たな移民移送協定を結んだ。
それによると、両政府はパナマ領内からコスタリカの国境検問所まで移民をバスで安全に移送することに合意したという。
パナマ政府の推定によると、今年ダリエン地峡を通過した移民は42万700人に達したという。昨年は約25万人、今年はこれを大幅に上回り、50万人に達する可能性がある。
ダリエン地峡の横断には体力に自身のある者でも2日~3日かかる。
パナマ当局は移民が米国国境に到達するまでの時間を短縮させる必要があるとして、バスによる移送サービスを提供している。
パナマはこの移送協定により、ダリエン地峡で活動する人身売買組織をより取り締まりやすくなり、混雑を緩和できると期待している。
パナマの移民管理局は10日、大型バス30台で移民約1600人をコロンビアの国境検問所にある移民受付センターまで移送したという。
米国、パナマ、コロンビア政府は今年4月、ダリエン地峡を利用して人身売買を行う組織の取り締まりを強化することで合意した。
しかし、移民の数は増える一方で、バイデン政権は他の選択肢を模索せざるを得なくなっている。
移民の大半はベネズエラ出身。エクアドル、コロンビア、ハイチの移民もいる。