◎パナマの無法地帯の密林、ダリエン地峡には数千人規模の亡命希望者が押し寄せ、増水した川を渡り、野生動物をかわし、鬱蒼と生い茂るジャングルの横断を試みる。
中米パナマの国境警備当局は9日、コロンビアから入国を試みた亡命希望者3人が川に流され溺死したと報告した。
報道によると、死亡したのは16歳のベネズエラ人女性と、コロンビアとベネズエラの男性それぞれ1人。
パナマの入国管理局は声明で、「3人はコロンビア国境から数キロのところになるアーミラ川(Rio Armila)で流されたとみられる」と説明した。
遺体はアーミラ川の下流で発見されたと伝えられている。人身売買組織はこの川のほとりで移民を休ませることが多いという。
3人が流された理由は明らかにされていないが、地元メディアは警察筋の話を引用し、「水辺で涼を取っていて流された可能性がある」と報じている。
また報道によると、地元住民と他の移民が遺体を回収し、警察に通報したという。
パナマの無法地帯の密林、ダリエン地峡には数千人規模の亡命希望者が押し寄せ、増水した川を渡り、野生動物をかわし、鬱蒼と生い茂るジャングルの横断を試みる。
パナマ政府によると、ダリエン地峡で死亡した移民は数百人にのぼるとみられるが、通報や情報がなければ遺体を回収することは困難だという。
政府報道官は6月、ダリエン地峡に立ち入る移民の数が大幅に増加していると報告した。
政府の公式データによると、今年上半期にダリエン地峡に入った移民は確認できているだけで4万6000人を超え、昨年同期の2万6000人を大幅に上回ったという。
昨年、パナマを通過した移民は約13万3000人。報道官によると、今年はこの倍近くに達する可能性が高い。
昨年入国した移民の大半はハイチ人だったが、今年はベネズエラ人が大幅に増加している模様。