◎モイーズ大統領は2021年7月7日、首都プルトープランスの私邸で12発もの銃弾を浴び、死亡した。
2021年7月8日/ハイチ、首都ポルトープランスの警察庁舎、モイーズ大統領の暗殺に関与したとされる傭兵たち(Jean Marc Hervé Abélard/AP通信)

ハイチのオンブズマン事務所がモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件の捜査が遅々として進まないことに怒りと不満を表明した。現地メディアが6日に報じた。

公的機関を調査する独立政府機関・市民保護局もこの事件を担当する判事の警護を強化するよう要求している。

モイーズ氏は2021年7月7日、首都プルトープランスの私邸で12発もの銃弾を浴び、死亡した。

この事件を担当する判事は5人目であり、過去の4人は罷免されるか、個人的な理由で担当を外れている。

前任の判事は6日、AP通信の取材に対し、「家族が殺される可能性があるため、担当を外してほしいと上司に頼んだ」と語った。

オンブズマン事務所は捜査が進まないことを非難し、国際機関に対し、ハイチ法務省を支援するよう要請した。

また同事務所は「捜査が遅れた結果、事件に関与した多くの犯罪者が逃亡に成功した」と嘆いた。

この事件はハイチではほとんど動いていないが、米当局は容疑者11人を逮捕し、その一部は先月有罪判決を受け、刑が確定した。

ハイチで逮捕された40人以上がポルトープランスの刑務所に勾留され、裁判を待っている。その中にはモイーズ氏の妻を銃撃した殺人未遂で告発された者もいる。

逮捕された者のうち少なくとも18人がコロンビア出身の傭兵とされる。

モイーズ氏の妻マルティーヌ(Martine Moise)氏は今月初め、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)にこの事件を捜査するよう改めて要請した。

またマルティーヌ氏は先月下旬、この事件の容疑者たちを相手取り、損害賠償と陪審員による裁判を求めて提訴した。

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