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肥料・鉱業企業ニュートリエン、トリニダードの窒素事業閉鎖へ

ニュートリエンはカナダ・サスカチュワン州に本社を置く世界最大級の肥料・鉱業企業である。
カリブ海の島国トリニダード・トバゴ、首都ポートオブスペイン(Getty Images)

世界最大級の肥料・鉱業企業ニュートリエン(Nutrien Ltd.)は21日、カリブ海の島国トリニダード・トバゴの工場における窒素事業の計画的閉鎖を開始したと発表した。10月23日に閉鎖される予定だ。

ニュートリエンはトリニダード・トバゴ国営エネルギー公社による港湾アクセス制限と、信頼性が高く経済的な天然ガス供給の不足を理由として挙げた。これにより同事業のフリーキャッシュフローは長期にわたり減少していた。

ニュートリエンは声明で、「ステークホルダーとの協議を継続し、トリニダードにおける他の事業に関する選択肢を評価する」と述べた。

ニュートリエンは同国での操業を通じ、月間約8万5000トンのアンモニアと5万5000トンの尿素を生産している。

ニュートリエンはカナダ・サスカチュワン州に本社を置く世界最大級の肥料・鉱業企業である。2018年にカリ肥料生産で有名なポタッシュ・コーポレーション・オブ・サスカチュワン(PotashCorp)と農業資材小売業のアグリウム(Agrium)が合併して誕生した。

ニュートリエンは窒素・リン・カリを中心とした肥料を生産しており、特にカリ(ポタッシュ)の生産量では世界トップクラスを誇る。また同社はカナダ国内に複数のカリ鉱山を保有し、安定的かつ低コストでの供給体制を確立している。

ニュートリエンは北米を中心に農業資材小売ネットワークを広く展開し、生産から販売までの垂直統合型ビジネスモデルを採用している。世界の農業需要が高まる中で、持続可能な農業支援と食料安全保障への貢献を掲げて事業を拡大している。

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