◎シナロア州を含む北部の米国国境地域ではシナロア・カルテルや麻薬組織「ハリスコ新世代」を含む複数の麻薬カルテルやギャングが何年も前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。
メキシコ、首都メキシコシティ、死者の日のパレード(Getty Images)

メキシコ北西部シナロア州政府は1日、「死者の日(11月2日)」に先立ち、夜間にマスクを着用して外出しないよう警告した。

同州警察は声明で、「ハロウィーンや死者の日の仮装を身に着けて夜遅くに外出すると、犯罪に巻き込まれる可能性がある」と述べた。

また同警察は「死者の日以外の日も、変装して出歩くのは危険である」と強調した。

シナロア州では7月下旬に米国で世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの幹部2人が逮捕されて以来、派閥間の争いが続いている。このうち1人は麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子である。

陸軍と警察は州内で警戒態勢を強化しているが、この数カ月で数十人が殺害され、1人も逮捕者が出ていない異常事態となっている。

同州の多くの市民が警察の警告に凍り付き、仮装して外出しないと誓った。

地元メディアによると、同州クリアカンで10月31日に少なくとも3件の銃撃戦が確認されたものの、遺体は見つからなかったという。11月1日も銃撃戦が数件報告されただけであった。

シナロア州の隣のソノラ州も死者の日の仮装をして外出しないよう警告している。

死者の日は故人を追悼する日であり、10月31日から始まる。家族総出で墓を掃除し、オレンジ色のマリーゴールドで墓を飾る。墓地でも自宅の祭壇でも、親族がロウソクを灯し、故人の好物や飲み物を供える。

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