◎ニカラグア政府は毎年、この種の法令を施行している。
ロシアの国営メディアは9日、ニカラグアのオルテガ(Daniel Ortega)大統領がロシア軍の入国を許可したと報じた。
報道によると、オルテガ氏は7日に大統領令に署名し、訓練、法執行、緊急時におけるロシア軍の入国を許可したという。
ニカラグア政府は毎年、この種の法令を施行している。
この法令はウクライナと戦争状態にあるロシア軍の人員・兵器・船舶・航空機の入国と駐留を許可している。
また、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ドミニカ共和国、米国、メキシコ、ベネズエラ、キューバの軍人、部隊、船舶、航空機の通過または駐機も許可するとしている。
さらに、「経験の交換と訓練」のために「小規模」なロシア軍の駐留を許可するとしている。
ロシア外務省のザハロワ(Maria Zakharova)報道官は9日、ロシアメディアのインタビューの中で、「この決定は日常的なものである」と語った。「ロシアとニカラグアは人道支援、組織犯罪や麻薬密売の撲滅を含む様々な分野での協力を発展させようとしています。現在、年に2回、日常的な受け入れを行うための手続きを協議しています」
またザハロワ氏は、「法令は米国やメキシコを含む中米諸国の軍隊も受け入れる」と強調した。
ニカラグアと米国の関係は冷え切っており、一部の専門家は目と鼻の先にロシア軍が駐留する可能性に懸念を表明した。
米国はロサンゼルスで開催されている米州サミットからニカラグアを除外している。
地元メディアによると、議会は法令を速やかに承認する予定。適用期間は2022年7月1日~12月31日まで。
ロシアメディアは当局者の情報を引用し、「2022年7月1日~12月31日の間、ロシア軍の兵士80人、船舶、航空機がニカラグア領内に留まる」と報じている。
またニカラグア軍も対象の国で人道支援任務や演習を行うことができるとしている。
ロシアのラブロフ(Sergei Lavrov)外相によると、ロシアは米国と対立しているニカラグア、キューバ、ベネズエラとの軍事関係を強化することで合意したという。
オルテガ氏は米軍の支援を受けていた独裁者アナスタシオ・ソモサ・ガルシア(Anastasio Somoza)を打倒した1979年からロシアと深い関係にある。
オルテガ氏は昨年11月の総選挙で4期目を決めて以来、野党議員を含む政敵の排除と投獄を進めている。