▽この改正はオルテガ氏と与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の権力を確立するものである。
中米ニカラグアの議会がオルテガ(Daniel Ortega)大統領が提案した憲法改正案を全会一致で可決した。国営メディアが30日に報じた。
この改正はオルテガ氏と与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の権力を確立するものである。
オルテガ氏の提案により、大統領府に司法と立法を「調整」する権限が正式に与えられる。
また警察を支援するために軍隊に介入するよう命令することを可能にし、命令に基づいて治安当局者が一時的に行政府の役職に就くことが可能になる。
さらにメディアに対する国家統制を拡大し、オルテガ氏の妻であるムリジョ(Rosario Murillo)副大統領の役割を「共同大統領」に正式に変更。これに合わせて大統領の任期を6年に延長する。
これまでの憲法改正により、大統領の再選制限はすでに撤廃されている。
新制度ではどちらの共同大統領も無制限に副大統領を指名できる。批評家たちはオルテガ夫妻が8人の子供のうち、少なくとも2人を副大統領に指名すると噂している。
オルテガ氏が死去した場合、ムリジョ氏が自動的に政権を握ることになり、新たな選挙は必要ない。
オルテガ氏は2018年の反政府デモを弾圧して以来、5000以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
弾圧に屈したカトリック教会やNGO施設などは軒並み差し押さえられている。
2018年の弾圧以来、数十万人が国外に流出。その大半が隣国コスタリカに渡り、米国を目指している。