◎独裁者のダニエル・オルテガ大統領は反対派のNGO事務所を閉鎖し、多くの活動家を拘束、投獄している。
2021年11月25日/ニカラグアのオルテガ大統領と妻のムリーリョ副大統領(Getty Images/AFP通信)

ニカラグア政府は24日、米州機構(OAS)のニカラグア事務所を閉鎖し、職員を追放すると発表した。

OASは1951年に発足した汎米国際機関で中南米地域の諸問題の解決にあたっている。近年では地域の選挙監視活動で重要な役割を果たし、域内における民主主義の確立と維持に取り組んでいる。

独裁者のダニエル・オルテガ大統領は反対派のNGO事務所を閉鎖し、多くの活動家を拘束、投獄している。

ニカラグアのOAS大使は先月、オルテガ大統領の弾圧を厳しく非難し、辞任した。

オルテガ大統領は欧米諸国に「茶番」と批判された昨年11月の大統領選で4選を果たした。選挙に立候補する予定だった主要野党候補7人は選挙に先立ち一斉に逮捕され、その多くが10年以上の禁固刑を言い渡されている。

OAS総会も大統領選と議会選の結果を却下し、「自由、公正、透明性に欠けている」とする決議を採択した。

これにニカラグア政府は強く反発し、OASから脱退すると通告した。オルテガ大統領はOASを非難し、米国を「ヤンキー帝国」、EU首脳を「ヒトラーの弟」と呼んだ。

ニカラグア外相は24日、OASの非難決議を「米国の介入と支配」「極悪非道」と一蹴した。「ニカラグアはヤンキー帝国の不実で災いをもたらす嘘つき機関の事務所を閉鎖し、常任委員会、委員会、会議、米州サミットなど、この怪物の欺瞞的メカニズムから離れることを宣言します」

3月に辞任したニカラグアのマクフィールズOAS大使はオルテガ政権を「独裁政権」と糾弾している。

マクフィールズ氏は3月23日のツイートで、「2018年のオルテガに対する抗議デモが勃発して以来、ニカラグアで死亡した数十人の政治犯と300人以上の市民を代表してオルテガを非難する」とオルテガ大統領を糾弾した。

またマクフィールズ氏はオルテガ政権を非難するのは怖いとしながらも、「私と家族の未来が不確かなものになったとしても、話さなければならない」と訴えた。「自国の独裁を糾弾することは簡単なことではないです。しかし、沈黙し続けることは不可能と判断しました...」

ニカラグア政府はその後、「マクフィールズは我々の代表ではないため、彼の発言はどれも有効ではない」とする声明を発表した。

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