◎オルテガ大統領は昨年11月の総選挙で4期目を決めて以来、野党議員を含む政敵の排除と投獄を進めている。
2022年1月7日/ニカラグア、首都マナグアの通り(Maynor Valenzuela/ロイター通信)

ニカラグア議会は20日、ダニエル・オルテガ大統領に批判的な25の非政府組織に対する閉鎖命令を採択した。

野党はこの措置に強く反対したが、オルテガ大統領の支配下に置かれている与党サンディニスタ民族解放戦線は反対意見を一蹴し、NGOに閉鎖を命じた。

与党議員は「NGOはニカラグアの法律に違反し、財務データを開示しなかった」と主張している。AP通信によると、閉鎖が決まったNGOは人権問題の調査や社会的・文化的活動を行っていたという。

ニカラグアの人権記録を調査しているNGOの代表はソーシャルメディアに、「政府の弾圧に強く抗議する」と投稿した。

オルテガ大統領は昨年11月の総選挙で4期目を決めて以来、野党議員を含む政敵の排除と投獄を進めている。

オルテガ大統領は総選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、その他の野党関係者20人も合わせて逮捕。その多くが有罪判決を言い渡された。

先月末には米州機構(OAS)のニカラグア大使であるマクフィールズ氏がオルテガ大統領に抗議の意思を示して辞任した。同氏はオルテガ政権の人権侵害と言論の自由に対する弾圧を厳しく非難している。

米国と欧州の政府関係者もニカラグア当局に対し、野党議員や大統領候補を含む不当な弾圧に直面し逮捕・投獄された人々を解放するよう繰り返し要求している。

議会の声明によると、閉鎖される団体の資産(主に不動産)はこれまでのケースと同様、政府の管理下に置かれるという。

ある与党議員はSNSに、「これらのNGOの多くは外国勢力の手先である」と投稿した。

オルテガ大統領の独裁と弾圧に反対する2018年の抗議デモ後、数千人の市民と野党指導者が亡命を余儀なくされた。オルテガ大統領はデモを外国勢力のクーデターと呼び、暴力的な取り締まりを擁護した。治安部隊に殺害された市民は250~300人と推定されている。

抗議デモ鎮圧後も弾圧は続き、オルテガ政権はこれまでに少なくとも163のNGOに閉鎖を命じ、資産を没収している。

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