◎オルテガ大統領は政府に批判的な団体や個人への取り締まりを推進している。
ニカラグア議会は31日、国内で活動する83のNGOと市民団体に閉鎖を命じた。
オルテガ(Daniel Ortega)大統領は政府に批判的な団体や個人への取り締まりを推進しており、地元の独立系メディアによると、今年閉鎖を命じられたNGOは200に達したという。
これで2018年以降に閉鎖を命じられた団体は300を超えた。
閉鎖された機関には、1928年の創設以来、多くの著名な作家を輩出したニカラグア文学アカデミーなどが含まれる。
与党サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の議員はオルテガ氏の取り締まりを称賛し、NGO閉鎖決議案を圧倒的賛成多数で可決した。
2020年に施行された法律は反抗的なNGOを「外国エージェント」に登録するよう義務付けている。
オルテガ氏は昨年11月の不正総選挙で4期目を決めて以来、野党議員を含む政敵の排除と投獄を進めている。
オルテガ氏は総選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、その他の野党関係者20人も合わせて逮捕した。
投獄された野党議員や活動家の多くが刑務所内の裁判所で長期刑を言い渡されている。弁護士は同席を許可されず、控訴する権利もない。
欧米諸国はオルテガ氏の再選と一連の逮捕劇を非難しているが、オルテガ氏は米国を「ヤンキー帝国」、EUを「ヒトラーの弟」と呼び、非難を一蹴している。
2018年のオルテガ氏に対する抗議デモ以来、数千人が亡命を余儀なくされ、逮捕された主要な活動家は軒並み長期刑を言い渡され、不衛生な刑務所に収監されている。
オルテガ氏は2018年の抗議デモを外国勢力のクーデターと非難し、厳しい取り締まりを擁護した。治安部隊に殺害された市民は250~300人と推定されている。