ニカラグア、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との関係断絶
オルテガ氏は2018年の反政府デモを鉄の拳でねじ伏せ、350人以上を殺害して以来、5000以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
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中米ニカラグアのオルテガ政権が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との関係を断絶した。外務省が12日、明らかにした。
それによると、政府はUNHCRに宛てた書簡の中で関係を完全に断つことを通知したという。
政府は2月末、国連がオルテガ(Daniel Ortega)大統領を権威主義者と非難したことを受け、国連人権理事会から脱退すると表明した。
国連は2月末に公開した報告書の中で、「オルテガ氏と共同大統領を務める妻のムリジョ(Rosario Murillo)副大統領がニカラグアを権威主義国家に変貌させた」と非難。国際社会に対応を求めていた。
国会を支配する与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)は1月末、オルテガ氏が提案した憲法改正案を全会一致で採択。これにより、大統領府に司法と立法を「調整」する権限が与えられた。
また大統領府はメディアに対する国家統制を拡大する権限も付与された。
ムリジョ氏の肩書はこの憲法改正で「共同大統領」に変更された。
オルテガ氏は2018年の反政府デモを鉄の拳でねじ伏せ、350人以上を殺害して以来、5000以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
弾圧に屈したカトリック教会やNGOの施設などは軒並み差し押さえられている。これらの裁判は刑務所内の手作り簡易裁判所で行われ、被告たちは一方的に長期刑を宣告されてきた。