ニカラグア政府、キューバ人のビザ免除入国を廃止
このビザ免除措置は2021年11月に導入され、キューバ人がニカラグアに滞在しやすい環境を生み出してきた。
とその妻ムリジョ副大統領の看板(Oswaldo-Rivas/ロイター通信).jpg)
ニカラグア政府は8日、キューバ国民に対するビザ(査証)免除措置を撤廃したと発表した。この変更は同日付で発効し、これまでキューバ国民がビザなしで入国できた特例が終了した。今回の措置は数年前から多くのキューバ人が米国に向かう途中の通過地点としてニカラグアを利用していた中で行われたものであり、地域の移民動向に大きな影響を及ぼす可能性がある。
独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領は公式声明で今回のビザ政策の変更を確認した。報道によると、この決定は米政府からの圧力に応じたものと見られる。米国は中米諸国に対し、ベネズエラやキューバなどからの不正移民の流入に対処するよう強く求め、ニカラグアに対してもキューバ人の移動制限を含む措置を講じるよう圧力をかけていたとされる。
今回の変更により、これまでニカラグアを経由して米国に向かう「移民ルート」を利用していたキューバ人は、入国時に事前にビザを取得しなければならなくなった。ビザの取得には審査が必要で、以前のような簡便な入国ができなくなるため、移動のハードルが大幅に上がる見通しだ。
このビザ免除措置は2021年11月に導入され、キューバ人がニカラグアに滞在しやすい環境を生み出してきた。導入当初の目的は、観光や家族訪問の促進、経済的交流の活性化といった点が強調されていた。しかし近年は、同政策がキューバ移民の米国移住を助長しているとの批判が高まり、政策変更の要因となっていた。
一方で、公式声明や政府発表では今回の政策転換の詳細な背景や移民への影響について説明は限定的であり、国内外からさらなる説明を求める声も出ている。ニカラグア国内の人権団体や移民支援団体は、今回の措置が移民の安全を損ない、危険なルートへの誘導を助長する可能性があるとして懸念を表明している。また、キューバ出身の移民やその家族からも不安の声が上がっている。
米国との関係については、ニカラグア政府が長年対立関係にあり、ここ数年は特に緊張が高まっている。米国はニカラグアに対し政治的圧力や経済制裁を含む複数の措置を講じてきたが、今回のビザ政策変更はその一環とみられる。ニカラグア側は国際社会からの非難や制裁に直面し、政策を転換することで外交的な緊張を和らげる意図があるとの分析もある。
このビザ免除撤廃により、キューバ人の移動パターンが変わる可能性が高い。通過国としてのニカラグアの役割が縮小することで、他の中米諸国を経由するルートへのシフトや、不正規な移動を試みるケースの増加も懸念される。今後、米国や中南米諸国を巻き込んだ移民対策協議がさらに活発化することが予想される。
