ニカラグア政府、米国の要求受け多数の政治犯を釈放、ベネズエラに続き
ニカラグアの独裁者であるオルテガ大統領と妻のムリジョ副大統領は長年にわたり反政府運動や批判的な声を抑え込んできた。
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中米ニカラグア政府は0日、国内の刑務所に収監されていた多数の受刑者を釈放したと発表した。米国は前日、ニカラグア政府に対し、政治犯60人以上の解放を要求していた。
ニカラグアの発表によると、釈放されたのは「数十人」に上るというが、正確な人数や彼らが政治的な理由で拘束されていたかどうかについては政府側から具体的な説明はなかった。一部の専門家は、解放後も自宅軟禁などの制約が付される可能性があると指摘している。
この決定は、南米ベネズエラでも米国の圧力を受けて政治犯の釈放が進んでいる動きと時期を同じくしている。ベネズエラでは人権団体などの報告によると、少なくとも18人が釈放され、米国との協調の一環として政治犯を減らす方向に動いている。
ニカラグアの独裁者であるオルテガ(Daniel Ortega)大統領と妻のムリジョ(Rosario Murillo)副大統領は長年にわたり反政府運動や批判的な声を抑え込んできた。2018年以降、政府への抗議デモが激化すると治安当局は多数の市民や宗教関係者、活動家を拘束し、国際社会から人権侵害と批判されてきた。
今回釈放された人々については、ニカラグアの人権団体や反体制派の指導者が政治犯だと特定しているケースもある。地元の団体UNAMOSは10日、釈放された人々の多くが政治犯であり「私たちの友人も含まれている」と述べた。
在ニカラグア・米国大使館は先にベネズエラの政治犯釈放を称賛し、ニカラグアでも60人以上の牧師や宗教従事者、病人、高齢者を含む政治犯が不当に拘束されているとして解放を求める声を上げていた。ニカラグア側の今回の行動について、米政府からの圧力や国際的な人権問題への対応を意識したものとの見方が出ている。
一方でニカラグア政府は、釈放に関して政治的譲歩であるとの見方を否定している可能性もあり、公式声明の内容は限定的だった。釈放された人々のその後の行動や国外移送の有無、拘束された残る人々への対応については、今後の動向が注目される。
今回の動きは、地域の政治的緊張が高まる中で米国の影響力が強まっていることを象徴するものとして評価されている。また、ベネズエラやニカラグアにおける政治体制のあり方、政治囚の扱いを巡る議論は今後も国際社会の関心を集めそうだ。
