◎オルテガ大統領は今年6月、選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、他の主要な野党指導者20人も合わせて逮捕した。
11月9日、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は7日に行われた総選挙の結果を称賛し、西側諸国の非難を却下した。
ニカラグアの選挙委員会によると、オルテガ大統領は票の75%以上を獲得したという。議会選挙もオルテガ大統領のサンディニスタ戦線(政党)が92議席中90議席を獲得し、圧勝した。
オルテガ大統領は1985年から1990年まで政権を握り、2006年の大統領選挙で政界に復帰した。再選後は反米政策を推進し、ロシアと中国に接近したが、経済政策は全く機能せず、アメリカ大陸で最も貧しい国家のひとつから抜け出せずにいる。
妻のロサリオ・ムリーリョ氏は2018年から副大統領を務めており、オルテガ大統領は先日、妻を「共同大統領」と呼んだ。
オルテガ大統領は今年6月、選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、他の主要な野党指導者20人も合わせて逮捕した。
オルテガ大統領は8日遅くに開催された式典で勝利を祝い、EUを激しく罵った。「EUはファシスト議会を運営するナチスです。EUを統治しているヒトラーの弟たちはアメリカ大陸をナチ国家に変えるつもりです...」
またオルテガ大統領は、総選挙の結果を不正と見なし、「ニカラグアは独裁国家」と述べた米国を罵った。「私が刑務所に送った者たちはヤンキー帝国の子分です。彼らは米国に連行されるべきです。彼らはニカラグア人ではありません...」
ムリーリョ副大統領は総選挙の結果を「100%公正」と呼び、ロシア、キューバ、ベネズエラ、ボリビアから祝電が届いたと明らかにした。
選挙委員会によると、総選挙の投票率は65%だったという。しかし、全国に1,400人以上の選挙監視員を配置した民間組織は、投票率を18%と推定した。
ムリーリョ副大統領は支持者に、「選挙結果はニカラグア人が大統領と与党の政策を支持している証拠です」と語った。
ヴァンダービルト大学のラテンアメリカ世論プロジェクトが今年6月から8月にニカラグアで行った世論調査(回答者:2,997人)によると、回答者の大多数は国の選挙結果を信じていなかったという。世論調査の完全な結果は今月後半にリリースされる予定。
ヴァンダービルト大学のエリザベス・ゼクマイスター氏はAP通信の取材に対し、「回答者の26%が選挙結果は常に正しいと信じていた」と述べた。これはオルテガ大統領の支持率とほぼ同じである。
首都マナグアの住民はAP通信に、選挙の結果は最初から分かっていたと述べた。「完全な詐欺、完全な不正です...」
一方、ヘアサロンを営む女性は「選挙結果を尊重すれば、平和は保たれる」と述べ、オルテガ大統領を支持した。「私たちはオルテガ大統領を選びました。結果を尊重しなければなりません。大統領を尊敬しなさい...」
主要メディアによると、米州機構(OAS)は今週後半にニカラグアで開催される総会で、オルテガ大統領に圧力をかける可能性が高いという。OASは先月の総会でオルテガ大統領に政治犯の釈放を要求する決議を可決した。