◎ニカラグアの独裁者であるダニエル・オルテガ大統領は、先日行われた総選挙を「茶番劇」と非難した米州機構(OAS)から脱退すると発表した。
2021年11月7日/ニカラグア、首都マナグアの通り(Andres Nunes/AP通信)

11月20日、ニカラグアの独裁者であるダニエル・オルテガ大統領は、先日行われた総選挙を「茶番劇」と非難した米州機構(OAS)から脱退すると発表した。

OASは1951年に発足した汎米国際機関で、中南米地域の諸問題の解決にあたっており、近年では地域の選挙監視活動で重要な役割を果たし、域内における民主主義の確立と維持に取り組んでいる。

ニカラグアのデニス・モンカダ外相は19日の記者会見で、OASのルイス・アルマグロ事務総長に公式書簡を送り、脱退することを伝えたと明らかにした。

ニカラグアの選挙委員会によると、オルテガ大統領は11月7日の大統領選挙で有効票の75%以上を獲得したという。議会選挙もオルテガ大統領のサンディニスタ戦線(政党)が92議席中90議席を獲得し、圧勝した。

オルテガ大統領は1985年から1990年まで権力を握り、2006年の大統領選挙で政界に復帰した。再選後は反米政策を推進し、ロシアと中国に接近したが、政府の経済政策はほとんど機能せず、アメリカ大陸で最も貧しい国家のひとつになった。

オルテガ大統領は今年6月、総選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、他の主要な野党指導者20人も合わせて逮捕した。

OAS総会は先週、総選挙の結果を非難する決議を採択した。アルマグロ事務総長は総会の中で、「ニカラグアの選挙は自由、公正、透明性、民主的正当性を欠いている」と述べた。

南米25カ国が決議に賛成票を投じ、メキシコを含む7カ国は棄権した。反対したのはニカラグアだけだった。

OASはニカラグアの脱退表明に関するコメントをまだ発表していない。OASの規則によると、脱退手続きの完了には早くても2年かかる見込み。

オルテガ大統領は4期目を決めた翌日、選挙結果に深刻な懸念を表明したEUを「ナチス」と呼び、米国を「ヤンキー帝国」と罵った。

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