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▽暫定大統領評議会は24年4月に設立され、首相を選出し、大統領選挙の準備を主導している。
2024年3月18日/ハイチ、首都ポルトープランスのスラム街(AP通信)

中米ハイチの暫定大統領評議会が7日、新議長を選出した。

暫定大統領評議会は24年4月に設立され、首相を選出し、大統領選挙の準備を主導している。

現地メディアによると、経済学者で元中央銀行総裁のアルフォンス・ジャン(Fritz Alphonse Jean)氏が新議長に選ばれたという。

ジャン氏は首都ポルトープランスの式典でハイチが現在直面している状態を「戦争」と表現し、治安危機に対処するために団結するよう市民に呼びかけた。

暫定大統領評議会はフィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)暫定首相と協力して2026年2月を目標に総選挙を実施するとしている。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領席は今も空席のままだ。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

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