米タスクフォース、メキシコ麻薬カルテルの首領殺害を支援
エル・メンチョは西部ハリスコ州を拠点とするCJNGの首領、最も暴力的な犯罪集団を率いていた人物だ。
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メキシコ軍が西部ハリスコ州に本拠を置く麻薬カルテル「ハリスコ新世代(CJNG)」の首領、ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ)を殺害した件について、米国のタスクフォースが情報面で支援していたことが明らかになった。複数メディアが22日に報じた。
ロイター通信は当局者の話しとして、「この支援は作戦本体ではなく情報提供にとどまった」と伝えている。
このタスクフォースは「多機関合同対カルテル・タスクフォース(JITF-CC)」と呼ばれ、2025年末に極秘裏に設立された。複数の米政府機関が参加し、麻薬カルテルのネットワークに関する情報収集を主な任務としている。米関係者は国境をまたぐカルテルの動向を詳細に把握することが狙いで、捜査や作戦計画に役立つデータを整理していると述べている。
エル・メンチョは西部ハリスコ州を拠点とするCJNGの首領、最も暴力的な犯罪集団を率いていた人物だ。軍の発表によると、2月22日にハリスコ州タパルパで行われた軍の急襲作戦中に銃撃戦となり、重傷を負い、首都メキシコシティへの空輸中に死亡したという。作戦自体は完全にメキシコ軍が主導し、米軍が直接戦闘に参加したわけではないとしている。
作戦後、複数の州で暴力的な報復が発生した。燃えた車両や武装集団による道路封鎖が相次ぎ、治安部隊とカルテル支持者との間で衝突が広がった。こうした騒乱を受けて米カナダの当局は、現地の米カナダ市民に対して不要不急の外出を控えるよう注意喚起を出している。
エル・メンチョはこれまでメキシコ国内だけでなく米国でも訴追され、米国務省はこの情報提供に対して最大1500万ドルの報奨金を提示していた。CJNGは合成麻薬フェンタニルやコカイン、メタンフェタミンなどの麻薬を米国市場に大量に供給し、他カルテルとの抗争で長年、暴力を振るってきた。
一部の治安専門家は今回の捜索と排除によってCJNGの分裂や勢力図の再編が進む可能性があると指摘する。一方で、首領の死が必ずしも組織の壊滅に直結しないとの見方も根強い。カルテルはしばしば副次的な指導者が台頭し、内部で再結集する傾向があるためだ。
米国とメキシコ両政府は過去にも麻薬密輸対策や治安協力を継続してきたが、今回のように米軍が関与する情報タスクフォースが公式に関与したことは初めて明らかになった。この協力関係が今後どのように発展し、麻薬戦争にどのような影響を与えるかは不透明である。
