▽トランプ氏はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
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中米パナマのムリノ(José Raúl Mulino)大統領は20日、米軍がパナマ運河へのアクセスを確保するための選択肢を検討しているという報道について、「無名の情報筋からのものであり、何の価値も見いだせない」と一蹴した。
ムリノ氏は記者会見で、「情報筋の話しとして引用するような報道は信じず、私はそれに価値を見出さない」と語った。
ロイター通信は2人の米政府関係者の話しとして、「国防総省はトランプ(Donald Trump)米大統領に選択肢を評価するよう指示された」と伝えている。
トランプ氏はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
またトランプ氏は「パナマ政府が約束を破り、運河を中国に譲り渡した」と主張している。
ムリノ氏はこの2つの主張を否定し、運河は公正かつ透明な方法で管理されていると反論した。
運河は政府機関であるパナマ運河庁によって管理されているが、香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスが運河の両端にある2つの港の運営権を保有している。
CKハチソンは今月初め、パナマの資産を含む228億ドルの港湾事業の大部分を米国の投資会社ブラックロック率いる連合体に売却することで合意したと発表した。
パナマ運河は世界で最も交通量の多い航路のひとつ。米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理してきた。
米政府は共同管理の期間を経て、1999年に運河の管理権をパナマ政府に引き継いだ。
米国はパナマの最大の貿易相手国であり、2012年に米国・パナマ自由貿易協定(FTA)を結んでいる。