◎ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
中米ハイチの首都ポルトープランスに16日、国連PKOを率いるケニア警察の追加部隊約200人が到着した。
ケニア警察の先発隊約200人は先月25日にポルトープランスに到着。バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャド、ジャマイカの警察・陸軍と連携して、ハイチ国家警察を支援する。その規模は約2500人になる予定だ。
国連安全保障理事会は先週、ハイチにおける「極度の暴力」が同国と地域の安全を損なっていると強く非難した。
ハイチ当局は治安上の懸念を理由に、ケニア警察の任務の詳細を明らかにしていない。
AP通信によると、ケニアの警察官は5月に運用を再開したポルトープランスの国際空港や市中心部の国立病院周辺などをパトロールしているという。
ハイチ国家警察の長官事務所はSNSに声明を投稿。「ケニアの警察官と一緒に仕事ができることを嬉しく思う」と書き込んだ。
今後数週間から数カ月でさらに多くのケニア人が到着する予定。最終的には約1000人がポルトープランスに配備される。
国連安保理によると、PKOの配備にかかる費用は約6億ドル。バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャド、ジャマイカの部隊が段階的に配備される。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。