◎ムーディーズはメキシコの格付けをジャンク級を2段階上回るBaa2とした。
米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが14日、メキシコ政府の信用格付けを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は15日、格付けが「安定的」から引き下げられたことに怒りを露わにした。
ムーディーズはメキシコの格付けをジャンク級を2段階上回るBaa2とした。理由は今年9月に可決された司法制度改革法案による憲法改正が同国の経済を圧迫するリスクがあると説明した。
またムーディーズは「政府債務の増加はメキシコのリスクである」とした。
さらに、多額の負債を抱える国営石油会社ぺメックス(PEMEX)を支援するために、政府がさらに多くの公的資金を注入する可能性があることにも言及した。
ムーディーズはペメックスについてこう説明している。「債務償還能力の悪化と政府支出の更なる硬直化により、財政再建は困難である...」
シェインバウム氏は15日の定例会見で、「ムーディーズはしばしば、前政権が採用し、私が継続を決めた経済政策を色眼鏡で見ている」と語った。
またシェインバウム氏は「多くの場合、ムーディーズのような格付け会社は経済モデルをベースに国を評価している」と述べ、メキシコの経済モデルは前政権が発足した2018年に一変したと主張した。
オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領はペメックスを熱烈に支援し、大規模なインフラ建設プロジェクトを推進。給付金を充実させ、その結果、2024年4月時点の債務残高はGDPの58%に達した。