◎この井戸では数週間前から「ガソリンの臭いがする」という問い合わせが自治体に寄せられていた。
メキシコの首都メキシコシティ郊外にある集落で2日、井戸の水が突然燃え上がり、黒煙を吐き出した。
地元メディアによると、この井戸では数週間前から「ガソリンの臭いがする」という問い合わせが自治体に寄せられていたという。
集落の住民は3日、幹線道路を封鎖して石油会社に抗議した。
地元メディアによると、井戸が発火した原因は明らかになっていないが、製油所のパイプラインからガソリンが漏れ出し井戸を汚染した可能性が高いという。
メキシコでは過去にもパイプライン関連の爆発事故が報告されている。
今回火災に見舞われた集落の近くにも製油所があるようだ。
国営石油ペメックス社はこの事件に関する声明を出していないが、専門家は地元ラジオ局のインタビューで、「パイプラインからガソリンが漏れている可能性が極めて高い」と指摘している。
火災を目撃した住民はAP通信の取材に対し、「どうして井戸が爆発するんだ」と憤慨した様子で語った。「おかしいと思いませんか?」
メキシコシティの市長は2日遅く、ぺメックス社が現場調査に同意したと発表した。
また市長は汚染と火災の原因はまだ分かっていないとしたうえで、住民に不確かな情報を拡散しないよう呼びかけた。
メキシコシティ当局は影響を受けた地域に給水車を派遣するとしている。
メキシコの燃料パイプラインは古く、盗難に遭いやすく、このような災害も決して珍しくない。
1993年、ハリスコ州グアダラハラの下水道が突然爆発し、少なくとも220人が死亡した。当局はその後の調査で、地下のパイプラインからガソリンが漏れ出し、下水道に流れ込んでいたことを突き止めた。
メキシコシティ北部で1984年に発生した地下ガスパイプラインの爆発事故では町の3分の1が壊滅し、452人が死亡、4200人以上が負傷している。