メキシコ当局、麻薬カルテルの幹部26人を米国に送還
メキシコは死刑を求刑しないという条件でカルテル幹部を引き渡すことに合意したとされる。
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メキシコ当局が12日、トランプ米政権との合意に基づき、麻薬カルテルの幹部26人を米国に送還した。
AP通信によると、その中にはメキシコに拠点を置く世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」と密接な関係にある犯罪組織「ロス・クイニス」のリーダーが含まれている。
さらに、2008年にロサンゼルス郡保安官補が殺害された事件に関与したとして指名手配されているロベルト・サラザール(Roberto Salazar)も含まれているという。
メキシコは死刑を求刑しないという条件でカルテル幹部を引き渡すことに合意したとされる。
メキシコ検察庁は26人の被告が送還されたことを確認したが、身元は公表していない。
政府は13日の記者会見で詳細を明らかにする予定である。
トランプ(Donald Trump)米大統領は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。南部のメキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。
さらにシナロア・カルテルやCJNGなど、中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定。6月初めにはシナロア・カルテルの一派であるロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。
ニューヨーク・タイムズ紙は先週、トランプ氏が特定のラテンアメリカの麻薬カルテルに対して軍事力を行使するよう国防総省に指示する命令に署名したと報じた。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領はこの報道後、記者会見で、「メキシコ政府はこの指令について通知を受けているが、それは米軍がメキシコ領土で活動することを意味するものではない」と述べた。