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メキシコ、市長暗殺受けミチョアカン州に追加部隊と資金投入

ミチョアカン州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、その大半が世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」やそのライバルである「ハリスコ新世代」の支配下に置かれている。
2025年11月9日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(AP通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は9日、中西部ミチョアカン州に追加部隊を派遣し、同州で続く暴力をとめるために30億ドル以上を投資すると発表した。

同州ウルアパンでは11月1日に市長暗殺事件が発生。17歳の少年がマンソ(Carlos Manzo、40歳)市長を銃撃した。

警察が容疑者2人を逮捕。17歳少年はその場で射殺された。

ミチョアカン州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、その大半が世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」やそのライバルである「ハリスコ新世代」の支配下に置かれている。

ミチョアカン州では昨年10月にシェインバウム氏が就任して以来、マンソ氏を含む7人の市長が殺害されている。

シェインバウム氏は市長暗殺を改めて非難した。

トレホ(Ricardo Trevilla Trejo)国防相によると、10日までに約1000人の追加部隊がミチョアカン州に到着予定。州内の連邦軍総数は1万人を超える見込みだ。

その約半数が犯罪組織が州境を越えるのを阻止する「封じ込め作戦」を担当する。

ハルフッシュ(Omar Garcia Harfuch)治安・市民保護相は記者団に対し、「連邦政府は組織犯罪グループに対する捜査の展開を支援するため、追加の情報収集リソースをミチョアカン州に投入する」と語った。

またハルフッシュ氏は「暴力を振るう者、犯罪を犯す者、ミチョアカン州の家族やメキシコ国民に危害を加える者は逮捕・訴追され、裁判にかけられるだろう」と述べた。

メキシコは紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

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