メキシコ大統領、米DEAとの共同摘発作戦を否定「何も合意していない」
DEAは18日の声明で、「プロジェクト・ポルテロ」と呼ばれるメキシコ当局との二国間イニシアチブを立ち上げたと発表。これを違法薬物の密輸ルートを解体する作戦と説明した。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は19日、米麻薬取締局(DEA)がメキシコとの共同摘発プロジェクトを開始したと発表した後、そのような作戦は存在しないと表明した。
DEAは18日の声明で、「プロジェクト・ポルテロ」と呼ばれるメキシコ当局との二国間イニシアチブを立ち上げたと発表。これを違法薬物の密輸ルートを解体する作戦と説明した。
シェインバウム氏は定例会見で、「メキシコのどの機関もDEAとそのような合意に達しておらず、プロジェクト・ポルテロなる作戦など存在しない」と語った。
またシェインバウム氏は、外務省が過去数ヶ月間、米国務省と安全保障協力協定の策定を進めており、「それはほぼ完成している」と明らかにした。
さらに、「この協定は主権と領土尊重を優先し、それぞれが自国の領土内で活動することを意味する」と強調した。
一方、DEAはプロジェクト・ポルテロについて、「麻薬カルテルの門番を解体することを目的とした旗艦作戦」「カルテルとの戦いにおける米国とメキシコの協力を強化するため新しいイニシアチブ」として紹介した。
またDEAは南西部国境にある諜報センターの1つで数週間にわたる訓練プログラムを開始し、メキシコの捜査官と米国の国防当局者および検察官を集めて戦略を調整したと発表した。
トランプ(Donald Trump)大統領は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。南部のメキシコ国境に軍を展開し、軍用機で移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。
さらにメキシコのシナロア・カルテル、ハリスコ新世代、湾岸カルテルを含む中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定。6月初めにはシナロア・カルテルの一派であるロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。