メキシコ裁判官選挙、与党MORENAが最高裁判所支配へ
する見込み一部の専門家は麻薬カルテルやギャングに近い人物が裁判官に選ばれる可能性が高まったと指摘している。
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メキシコで1日に行われた同国初の「裁判官選挙」で与党・国家再生運動(MORENA)が最高裁判所を事実上支配する公算が高まった。
選挙管理委員会によると、開票率は4日午前の時点で99%、最高裁の判事9人はMORENAに近い弁護士などで構成されることになりそうだ。
シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は4日の定例会見で選挙を改めて称賛した。
一部の専門家は麻薬カルテルやギャングに近い人物が裁判官に選ばれる可能性が高まったと指摘している。
連邦議会は昨年9月、MORENAの司法制度改革法案を3分の2以上の賛成多数で可決した。
この憲法改正により、最低限の資格を持つ弁護士であれば誰でも裁判官選挙に立候補できるようになった。
この改革はメキシコのあらゆるレベルの裁判所にとって歴史的な大改革となった。有権者は6月1日と27年の選挙で最高裁判所の判事を含む約2600人の裁判官を選出する。
一部の専門家は経験の浅い政治的に偏った裁判官を生む可能性があると警告してきた。
麻薬カルテルやギャングが自分たちに近い優秀な人物を選挙に送り込む可能性も否定できない。
地元メディアによると、最高裁の集計作業は間もなく終了する予定。
最高裁判事に選ばれるとみられる上位9人の過半数はMORENAと強い結びつきがあり、思想も共有しているように見える。
専門家はこの選挙が司法の独立と三権分立を弱体化させ、シェインバウム氏とMORENAが政策を推し進めやすくなると指摘している。
首都メキシコシティでは数週間前からこの選挙に抗議する小規模なデモが行われている。
1日の集会に参加した弁護士はAP通信の取材に対し、「MORENAが三権を独占することになれば、チェックアンドバランスが崩れ、民主主義が崩壊することになる」と語った。
シェインバウム氏は専門家やメディアの懸念を否定し続けている。
選挙管理委員会によると、投票率は13%前後になる見通し。
選挙期間中、麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の元弁護士を含む一部の候補者に関するスキャンダルが連日報じられた。