▽メキシコ・シナロア州ではこの幹部2人が逮捕されて以来、派閥間の争いが続いている。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は21日、米国で勾留されている麻薬組織「シナロア・カルテル」の幹部2人をメキシコに送還するよう米国に求めていると明らかにした。
米ニューヨーク州の駐メキシコ領事館が同政府から要請があったことを認めている。
シェインバウム氏は定例会見で、「司法長官はシナロア・カルテル幹部2人が24年7月にテキサス州エルパソで逮捕された経緯を調査中である」と語った。
メキシコ・シナロア州ではこの幹部2人が逮捕されて以来、派閥間の争いが続いている。このうち1人は麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子である。
陸軍と警察は州内で警戒態勢を強化しているが、この数カ月で数十人が殺害され、1人も逮捕者が出ていない異常事態となっている。
シェインバウム氏は「2人にはまともな弁護士が付いていない」と指摘。「2人が逮捕された経緯も気になる」と述べた。
米当局によると、逮捕された幹部の1人はグスマンの息子に誘拐され、テキサス州に連行されたと主張している。
メキシコ政府はその直後、何者かがメキシコ市民を米国の捜査当局に引き渡した可能性があるとして、捜査を開始すると発表した。
2人は陸路でテキサス州に入った直後に逮捕された。
幹部の1人はメキシコで裁かれることを望んでいるとみられる。テキサス州は死刑制度を維持、メキシコの最高刑は終身刑である。
米国務省は19日、シナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。