◎ハッカー集団は政府や企業のシステムに侵入し、データを抜き取った後、金銭を要求。応じなければそのデータをインターネット上で公開すると脅す。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は20日、政府職員の個人情報とみられるものがインターネット上で確認された問題について、法務局がサイバー攻撃を受けた可能性があるとして、当局が捜査していると明らかにした。
それによると、ランサムハブ(Ransomhub)と呼ばれるグループが法務局にサイバー攻撃を仕掛け、ハッキングされたとみられる情報の一部がダークウェブ上で公開されたという。
AP通信はこの問題に詳しい関係者の話しとして、「ランサムハブは政府に対し、10日以内に要求した金銭を支払わなければ、313ギガバイトのファイルを公開すると脅した」と伝えている。
ランサムハブは法務局の職員にランサムウェアを含むメールを送信。URLをクリックしたため、感染したとみられる。
ハッカー集団は政府や企業のシステムに侵入し、データを抜き取った後、金銭を要求。応じなければそのデータをインターネット上で公開すると脅す。
シェインバウム氏は20日の定例会見で法務局のハッキング騒動について聞かれ、「今日、事案の詳細を確認する予定だ」と語った。
ランサムハブは攻撃対象となった法務局事務所から政府の公共工事契約、保険、財務記録を抜き取ったと主張している。地元メディアによると、攻撃を受けた事務所は犯罪を除く多くの案件を取り扱っているという。
ダークウェブで公開されたデータは個人情報を含む政府職員データベースの一部であるようだ。
メキシコ政府が機密情報を抜き取られたのはこれが初めてではない。今年1月には大統領府への立ち入りを許可されているジャーナリスト263人分の個人情報が流出した。