◎シェインバウム氏は先週、恩師であるオブラドール前大統領の後を引き継いだ。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)新大統領が8日、麻薬カルテルによる暴力と闘うための計画を公表した。
シェインバウム氏は陸軍・州兵・警察幹部を前に演説。情報収集と捜査活動を強化する予定だが、前任者が用いた「弾丸ではなく抱擁」アプローチに主眼を置くようだ。
シェインバウム氏は先週、恩師であるオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領の後を引き継いだ。
オブラドール氏はカルテルとの対決を拒否し、その代わりに「弾丸ではなく抱擁」「暴力ではなく愛」でカルテルやギャングを取り締まると主張していた。
首都メキシコシティで活動する治安アナリストはAP通信の取材に対し、「シェインバウム政権は若者がカルテルに勧誘されるのを防ぐ社会プログラムも継続するだろう」と語った。
内務省の報道官は声明で、「新政府はオブラドール大統領の下で始まった戦略を継続し、最貧困家庭を支援し、注意を払う」と述べた。
米麻薬取締局(DEA)の元捜査官はAPに、「新計画は同じことの繰り返しのように見える」と語った。
メキシコの昨年の殺人率は人口10万人あたり約24人、米国の4倍以上である。
しかし、メキシコ当局は移民の人身売買が急増し、カルテルが多くの利益を上げているという懸念が高まっているにもかかわらず、「うまくやっている」と主張している。
シェインバウム氏はカルテル間抗争が続く中部グアナフアト州で殺人が急増していることについて、「低賃金が原因である」と非難した。「グアナフアトの復興には賃上げが欠かせません...」
グアナフアト州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」、麻薬組織「湾岸カルテル」などが支配権をめぐって長年抗争を繰り広げてきた。
先週4日には同州サラマンカ市内で12人のバラバラ遺体が見つかっている。