◎メキシコの選挙戦で候補が殺害されることは珍しくない。
メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は2日、市長選の選挙活動を開始した直後に暗殺された女性候補に哀悼の意を表した。
中部グアナフアト州セラヤで市長選に立候補していた女性は1日、郊外の路上で何者かに射殺された。
さらに、同じ市長選に立候補していた男性候補が2日朝に襲撃を受け、行方不明になっている。州警察はこの男性が死亡したと発表していたが、その後、行方不明になったと訂正した。
オブラドール氏は定例会見でこの襲撃事件に言及。「自党の候補が暗殺されたことに憤りを覚える」と表明したが、総選挙の対策強化などには言及しなかった。
グアナフアト州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」、麻薬組織「湾岸カルテル」などが支配権をめぐって長年抗争を繰り広げてきた。
地元メディアによると、女性候補はセラヤ郊外の路上で武装した男に射殺されたという。この女性は1日に選挙運動を開始したばかりだった。
2日朝には男性候補が正体不明の武装兵に襲われ、行方不明になった。
メキシコの選挙戦で候補が殺害されることは珍しくない。
同国では現在、6月2日の総選挙に向け、各地で選挙戦が繰り広げられている。オブラドール氏の後任を決める大統領選も同じ日に行われる。
地元メディアによると、今年殺害された選挙候補はこれで15人に達したという。
ソーシャルメディアで共有された動画には2日に誘拐されたとみられる男性候補が泣き叫ぶ姿が映っていた。この動画はすでに削除されている。
強力の麻薬カルテルは地元警察や自治体を支配すべく、非協力的な候補を次々に暗殺している。