メキシコ「エルサルバドルからコカイン飛行機が来た証拠ない」外交摩擦受け発言撤回

ブケレ氏は9日、メキシコのハルフッシュ治安・市民保護相が「エルサルバドルから薬物密輸用の飛行機が来た」と発言したことを受け、駐メキシコ大使を召喚すると明らかにした。
2025年3月6日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(ロイター通信)

メキシコ政府が「エルサルバドルからコカインを積んだ飛行機が来たという証拠はない」と明言した。エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領が11日、明らかにした。

ブケレ氏がX(旧ツイッター)に投稿した書簡によると、メキシコ政府はコリマ州の空港に着陸した小型機がエルサルバドルから来たという証拠はないと述べたという。

ブケレ氏は9日、メキシコのハルフッシュ(Omar Garcia Harfuch)治安・市民保護相が「エルサルバドルから薬物密輸用の飛行機が来た」と発言したことを受け、駐メキシコ大使を召喚すると明らかにした。

ハルフッシュ氏は8日の記者会見で、「麻薬密売組織の小型機がエルサルバドルを出発し、コリマ州で拿捕された」と述べていた。

ブケレ氏はこの小型機の飛行経路を示す地図を共有。飛行機はエルサルバドルの南方に位置するコスタリカの沿岸付近から太平洋を北上していた。

ブケレ氏は「その飛行機は太平洋上空を飛行し、エルサルバドルの領空には一切触れていない」と述べた。

エルサルバドル外務省はその後、駐メキシコ大使にハルフッシュ氏の発言を公式に訂正するよう要求した。

ブケレ氏は厳格な犯罪対策で人気を博している。

ブケレ氏はXへの投稿で、ハルフッシュ氏の発言を「フェイク」と非難し、小型機の飛行経路を詳細に説明した。またブケレは逮捕された小型機の乗組員は全員メキシコ人であったと強調した。

ハルフッシュ氏はその後、当局がエルサルバドルの「領空内」でこの小型機を補足したと述べ、発言を撤回した。

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は10日の定例会見で、ブケレ氏とハルフッシュ氏との対立には加わらないと述べた。

メキシコ当局によると、この小型機はコリマ州の空港に着陸。乗っていた3人の男が逮捕され、427キログラムのコカインが押収されたという。

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