◎メキシコの2020年の殺人発生率は人口10万人あたり約28人。人口より銃の数が多い世界唯一の国である米国の殺人率は10万人あたり約7人であり、メキシコの4分の1程度にとどまっている。
メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は13日、「メキシコは米国より安全」という認識を示した。
メキシコ北東部で先週発生した米国人誘拐事件では4人のうち2人が殺害された。
オブラドール氏は定例記者会見で米政府と米メディアを批判した。「ホワイトハウスの渡航警告や我が国で暴力が蔓延しているという米メディアの報道は保守派の政治家による中傷と陰謀が引き起こしたものです...」
オブラドール氏は「メキシコ旅行は安全で楽しい」と断言したが、米連邦捜査局(FBI)は先週、南部テキサス州出身の女性3人が先月下旬にメキシコを訪れて以来、行方不明になっていると発表。メキシコ政府もこれが事実であることを認めた。
オブラドール氏は記者団に対し、「メキシコは米国よりも安全だ」と語った。「メキシコ旅行は安全であり、何の問題もありません...」
統計によると、メキシコの2020年の殺人発生率は人口10万人あたり約28人。人口より銃の数が多い世界唯一の国である米国の殺人率は10万人あたり約7人であり、メキシコの4分の1程度にとどまっている。
しかし、オブラドール氏は暴力事件が増加しているという懸念を一蹴した。米国務省は現在、麻薬カルテルの暴力に直面しているメキシコの6州に渡航中止勧告を、7州に渡航再考勧告を出している。
オブラドール氏は、「これはわが国の変革を望まない米国の保守的な政治家による対メキシコキャンペーンのひとつである」と語った。
またオブラドール氏は米メディア関係者もこの陰謀に加わっていると主張した。「これらの保守的な政治家は米国のニュースメディアの大半を支配しているのです。ひどい印象操作です...」
しかし、中部グアナフアト州の警察当局は13日、週末に市内のナイトクラブが何者かが銃を乱射し、男女8人を射殺したと発表した。
地元メディアによると、男性6人と女性2人が「蜂の巣」にされたという。
グアナフアト州で進行中のギャング紛争は2大麻薬カルテルの「代理戦争」と呼ばれている。
中米最大の麻薬カルテル「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」はメキシコナンバー2の麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」から領土を奪うために血で血を洗う血みどろの抗争を繰り広げている。