◎死傷者は確認されておらず、火災は自然に鎮火したようだ。
メキシコ当局は22日、北東部タマウリパス州マタモロスになる移民キャンプで火災が発生し、30近くのテントや仮住まいが全焼したと明らかにした。
AP通信によると、この地域には米国への移住を希望するベネズエラやハイチの移民約2000人が集まり、テント生活を送っているという。
マタモロスは米テキサス州と国境を接している。
APは関係者の話しとして、「移民を嫌悪する何者かがガソリンをまき、火をつけた」と報じている。
火災が放火によるものか否かは不明。地元の消防は声明を出しておらず、警察も捜査を行っていないようだ。
タマウリパス州は同国で最も治安の悪い州のひとつであり、複数の麻薬カルテルとギャングが支配権を争っている。
地元当局によると、カルテルは移民の野営地に嫌がらせをしたり、金銭を要求することもあるという。
地元メディアは州政府関係者の話しとして、「マタモロスで長く待たされている移民には不満を持つ者も多く、腹いせに放火した可能性もある」と伝えた。
この地域で活動する慈善単体「yudandoles A Triunfar」はフェイスブックに、「数十人が大切なテントを失い、途方に暮れている」と投稿した。
それによると、マタモロスの自治体職員は被害者にキャンプから出るよう促したという。
死傷者は確認されておらず、火災は自然に鎮火したようだ。しかし、移民数十人が持ち運びしやすい小型テント、枝などで作った仮住まい、衣服や書類、その他の持ち物を失った。
バイデン政権は今年1月、中南米の不法移民が急増していることを受け、対策を強化した。
この新しい規則はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの亡命希望者を毎月3万人受け入れ、2年間の労働許可を与えるとしているが、許可を得るためには身元確認を含む「正規の入国手続き」をクリアしなければならない。