◎今年メキシコで殺害されたジャーナリストの数は過去最多を更新し続けている。
メキシコの検査当局は22日、オンラインニュース番組を運営していたジャーナリストが南部で何者かに射殺されたと報告した。これで、今年メキシコで殺害されたジャーナリストは15人となった。
南部ゲレロ州の検察によると、殺害されたのは独立系ジャーナリストのロマン(Fredid Román)氏。遺体は州都郊外で発見された。
ロマン氏の番組は州レベルの政治に大きく焦点を当てたものであった。また同氏はコラムも書いていた。
ゲレロ州では複数の麻薬カルテルとギャングが衝突を繰り返している。
今年メキシコで殺害されたジャーナリストの数は過去最多を更新し続けている。メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、2000年代中頃に本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。
報道によると、ロマン氏は車内にいたところを何者かに撃たれたとみられる。検察は事件の詳細を明らかにしていない。
14人目の犠牲者は先週、北部ソノラ州で確認されたばかりである。この事件で殺害された男性ジャーナリストは国境の町サン・ルイス・リオ・コロラドで遺体となって発見された。死因は頭部への打撃と報告されている。
米国境に近いサン・ルイス・リオ・コロラドは近年、麻薬カルテルの支配下に置かれ、暴力が蔓延している。今年3月には砂漠地帯で身元不明の11人の遺体が発見された。
今月初旬には中部グアナフアト州で男性記者1人を含む4人が何者かに殺害された。これらの事件はすべて未解決であり、警察が捜査を進めている。
ジャーナリストの殺害にはカルテルなどの犯罪組織が関与していることが多いが、小さな町ではギャングとつながりのある役人や政治家が関与していることも珍しくない。特に郊外で活動している小さなメディアは標的になりやすい。
メキシコ検察は19日、南部ゲレロ州で2014年に発生した学生43人失踪事件の捜査を主導したカラム(Jesus Murillo Karam)元検事総長を逮捕した。