◎米国への移住を希望している人々は、人道ビザの申請手続きに時間がかかり過ぎることに腹を立てている。
メキシコの現地メディアによると、南部チアパス州の国境検問所で移民希望者と警察が衝突し、少なくとも20人が負傷したという。
メキシコ国立移民研究所(INM)は23日、「主にキューバ、ハイチ、アフリカ諸国から移住を求める約100人が暴力的なデモに加わった」と明らかにした。
INMによると、一部の移民希望者はグアテマラ側から検問所のフェンスを飛び越えようとしたという。当時、検問所の審査受付所には数百人が並んでいたと伝えられている。
米国への移住を希望している人々は、人道ビザの申請手続きに時間がかかり過ぎることに腹を立てている。
INMは声明の中で、「22日の抗議デモに参加した人々は検問所の入り口をふさぎ、手続きを待っていた人々の列を飛び越え、国境警備隊に石や棒を投げつけた」と述べた。
ロイター通信によると、列に割り込まれた一部の移民希望者が憤慨し、乱闘に発展したという。
メキシコで活動している権利活動家のムヒカ氏はロイター通信の取材に対し、「(チアパス州)タパチュラの検問所に並んでいる人々は何カ月も待たされており、絶望している」と語った。
ロイター通信によると、数百人は主に道路で野営し、移民局の食糧配給で飢えをしのいでいるという。
移民希望者の多くは米国への渡航を望み、一部はメキシコ当局に難民・亡命申請を提出している。
メキシコ政府によると、メキシコに難民や亡命を申請した人の数はこの2年でほぼ倍増し、当局の処理手続きが追い付いていないという。
中南米最大のタパチュラ移民センターは入国審査のボトルネックのひとつになっており、国連難民機関は渋滞を解消するようメキシコ政府に求めている。
多くの移民希望者が移住のために借金をしており、仕事を得るまでに時間がかかり過ぎると彼らの生活はさらに悪化する。
メキシコを含む中米諸国は近年、移民希望者であふれかえっている。メキシコで仕事を見つけたいと考える人もいれば、メキシコを通過して米国に向かいたいと考える移民もいる。