◎シェインバウム氏は勝利演説で「この国に変革をもたらす」と述べ、喝采を浴びた。
メキシコの選挙管理委員会は3日、与党・国家再生運動(MORENA)のシェインバウム(Claudia Sheinbaum)氏が次期大統領に選出されたと発表した。
それによると、開票率99.9%時点でシェインバウム氏の得票率は58%。野党・国民行動党(PAN)のガルベス(Xóchitl Gálvez)上院議員らに大差をつけた。
メキシコで女性が大統領に選出されたのは初めて。ガルベス候補も女性である。
シェインバウム氏は勝利演説で「この国に変革をもたらす」と述べ、喝采を浴びた。
またシェインバウム氏は総選挙の期間中、麻薬カルテルやギャングによる暴力が相次いだことに言及。「国民は暴力ではなく、民主的な選挙に参加することで、この国は民主国家であることを証明した」と述べた。
地元メディアによると、ガルベス氏を含む他の候補は敗北を認めたという。
シェインバウム氏は61歳。初の女性大統領であると同時に、カトリック教徒が多いこの国を率いる初のユダヤ系出身者となる。
オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領の意志を受け継ぐシェインバウム氏は世界最悪と呼ばれる麻薬戦争を含む複数の課題への対応を求められることになる。
オブラドール氏はカルテルやギャングによる暴力を抑え込んだと長年主張してきたが、この総選挙期間中、14人もの候補者が殺害される異常事態となった。
いずれの事件も容疑者は捕まっていない。
地元メディアは今回の総選挙を「歴史上最も暴力的な選挙」「血塗られた選挙」などと呼んでいる。
メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は10万人以上と推定されている。