◎米当局はエル・メンチョことネメシス・オセゲラ容疑者に1000万ドルの報奨金をかけている。
メキシコ陸軍の兵士(Getty Images/PAメディア)

メキシコ国防省は20日、最重要指名手配犯のひとりである麻薬カルテルのリーダー、ネメシオ・オセゲラ(Nemesio Oseguera)容疑者の弟を逮捕したと発表した。

オセゲラ容疑者はハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」のリーダーであり、エル・メンチョ(El Mencho)の通称で知られる。

国防省によると、陸軍は西部ハリスコ州の州都グアダラハラ近郊でアントニオ・オセゲラ(Antonio Oseguera)容疑者を逮捕したという。

この男はハリスコ新世代の武器購入と資金洗浄を担当していたと伝えられている。

米財務省もアントニオ・オセゲラ容疑者を制裁リストに加えている。

米当局はエル・メンチョの妻を違法行為に関与したとして逮捕しており、エル・メンチョには1000万ドルの報奨金をかけている。

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は「この国にもはや麻薬王はおらず、カルテルの取り締まりを徹底するだけでよい」という見解を示しているが、ハリスコ新生代や同国の№1カルテル「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」は各地で活動を続け、欧米諸国に麻薬を供給し続けている。

ハリスコ新世代はメキシコで最も凶悪なカルテルであり、2020年には首都メキシコシティの警察署長暗殺を企て、警察官3人を殺害。陸軍や州兵にも攻撃を繰り返している。

カルテルは活動の拠点であるハリスコ州以外にも領土を拡大し、中部グアナファト州やミチョアカン州などの流血に拍車をかけ、カリブ海のビーチリゾート、キンタナロー州にも触手を伸ばしている。

軍は先週、北部ヌエボラレドで分隊長を務めていた陸軍大佐がカルテルの構成員とみられる武装集団に誘拐されたと発表。大佐の行方は分かっていない。軍の将校がカルテルに襲われたのはこの1ヶ月で2度目。

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