▽外務省は拘束が差し迫った際に使用すると説明している。
メキシコ政府は28日、移民が米当局に拘束されそうになった際、親族や最寄りの領事館に警告を送ることができる携帯電話アプリを開発中であり、来月中に運用を開始すると明らかにした。
デラフエンテ(Juan Ramón de la Fuente)外相は27日、AP通信のインタビューでこのアプリに言及。「テスト段階だが、非常にうまく機能している」と述べていた。
トランプ(Donald Trump)次期米大統領は1月20日に就任次第、居住権を持たない不法移民の強制送還を開始すると公言している。
トランプ政権が国境の移民対策を強化することは確実だ。移民・関税執行局(ICE)のトップには移民政策強硬派として知られるホーマン(Tom Homan)氏が就任する。
トランプ氏はホーマン氏を「国境の番人」と呼んでいる。
このアプリは「アラートボタン」と名付けられ、トランプ氏が就任する前に利用可能になる予定だ。
メキシコ外務省は声明で、「アラートボタンによって、拘束されそうだと思った国民は、拘束が差し迫っている状況について、現在地から最も近い領事館や自分が選んだ家族に通知したり、外務省に簡単に通知できるようになる」と述べた。
デラフエンテ氏はこのアプリを「パニックボタン」と呼び、デジタル庁と共同で開発したと明らかにしていた。
ユーザーはこのアプリを開き、ボタンを押すだけで、あらかじめ設定した家族や最寄りのメキシコ領事館に通知を送ることができる。
外務省は拘束が差し迫った際に使用すると説明している。地元メディアによると、ボタンを押した場合「本当に通知しますか?」という警告が出るという。
メキシコ政府によると、米国で合法的な居住権を持つメキシコ移民は約1150万人、居住権や適切な書類を持たない移民は約480万人いる。